『さて、接写できるカメラ(とレンズ)は用意できた!さあ、虫を撮るぞ!・・・でも虫ってどこにいるの?』
なるほど、確かに意識していないと虫たちがどこにいるかなんて、気づかないことではあるでしょう。
『あ、チョウやハチなら町でも見かけるよ!』
たしかにそのあたりなら街中にもいますし、意識せずとも目に入っていそうですね。
ですが、正直、すごく種類が少ないです。
ハチなら、セイヨウミツバチかニホンミツバチ、藤棚でもあればあとクマバチ。
チョウなら、ヤマトシジミかアオスジアゲハか・・・ってところではないでしょうか?
ちなみにアオスジアゲハは撮るのも採るのも難しいので、あまりおすすめできません。
もっと色んな種類を、気軽に簡単に撮りたい!
そんなご要望にお答えできるかもしれない場所があります。
それは・・・ 自然公園の柵 です。
柵虫
『柵?ほんとに?全然そんな感覚ないんだけど?』
自然公園に行ってわざわざ柵を注視はしませんから、きっと意識の外にあって気づかなかっただけでしょう。
しかし実際のところ、言わば柵は虫たちの運動場みたいなものなのです。
一度、Twitterで "#柵虫"と検索してみてください。
いかに様々な虫たちが柵に集まっているのか、一目瞭然となるでしょう。
さて、この記事でもそんな柵虫たちの一部、個人的に代表的だと思う仲間たちを紹介していきましょう。
イモムシ・ケムシ
まずは柵虫界の絶対エース、いもむし達です。
冬場以外、柵はいもむしけむしたちのレース会場です。
いろいろないもいもけむけむたちが、我先にと存外速いスピードで駆け回っています。
クチバスズメ
いもいも
ウメスカシクロバ
繭作るよ!
ハバチの仲間
ハチになるよ。
ただし所によっては・・・
ゴマフリドクガ
有毒ァッ!
みたく毒のあるケムシがたくさんいるところもあるのでお気をつけて・・・
カマキリ
晩夏以降の代表選手、遅れてきた主役、それこそカマキリです。
若虫は春頃からずっといるけどね!
オオカマキリ
I'm praying...
ハラビロカマキリ
胸が赤いやつはNG
ヒメカマキリ
ハナカマキリ科は日本には少ない。
ナナフシ
擬態のせいか、結構いるのに、あまり気づかれていないナナフシ。
木の枝に擬態しているナナフシが、擬木柵にやってくる。何か自己言及的だと思いませんか?
ナナフシモドキ
擬態しているから"モドキ"。ナナフシのモドキなわけではないのだよ。
エダナナフシ
長いおひげがチャーミング
エダナナフシ若虫
子供の頃から柵柵するよ。
カメムシ
案外多いのがカメムシたち。
お野菜の害虫・悪臭と一般に嫌われイメージの彼らですが、みんなどれもカラフルな体色に愛嬌に溢れた顔で、かわいらしいです。
ツヤアオカメムシ
ザ・カメムシの一角
ヒメホシカメムシ
オオホシカメムシより少し小さい。そりゃそうか。
ウシカメムシ
何がウシなのか考えてみよう!
オオトビサシガメ幼虫
サシガメの仲間は獰猛なハンター。人間だって触ると刺される。
クモ
昆虫ではないけど虫は虫。
柵の隙間に巣を張っていたり、獲物を求めて待ち伏せや徘徊。
いろんなことをしている仲間がいます。
コハナグモ
小さな待ち伏せ型のクモ。透き通るような緑色。
アオオビハエトリ
前足掲げてアリをまちまち。近くに来たら即座にシュババッ!
オナガグモ
柵の間に糸張ってだらーん。え?ちゃんとクモですよ?
コメツキムシやカミキリムシといった甲虫も、蛾や蝶も、他にも種々さまざまな虫たちが柵にやってきます。
あるものは移動経路として、あるものは狩場として、あるものは休憩しに、あるものは木と間違って、みな色々な理由で柵にやってくるのです。
なんといっても柵は、通り道のすぐ横にあって、ちょうどいいくらいの高さがあって、虫たちを探しやすいのはもとより、写真も撮りやすいのです。
ちょっと暗くてシャッタースピードを遅くせざるを得なくても、柵にカメラを押し当てて手ブレを抑えるなんて力技も使えたり。
虫たちのパラダイスであり、虫を探す人にとってもパラダイスと言えるのではないでしょうか。
さあ、あなたも探しましょう。
外に出て、自然の多い公園に行って、柵をじっくり見るのです。見逃しのないように、上から下まで舐め回すように。
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