時計ライター・佐藤しんいちがドレスウォッチの最新ラインナップに注目し、おすすめとして厳選した5モデルを紹介する。選定基準は、ドレスウォッチの世界観を楽しむことができるスタイリングおよび高級感があると言えるディテールを持ちつつ、3気圧以上の防水性能や必要十分なパワーリザーブといった実用性も兼ね備えているモデルだ。
今回はドレスウォッチに注目して、厳選した5モデルを紹介してゆきたい。歴史的に見てドレスウォッチは、優雅なひと時のためのフォーマルなスタイリングと、ドレッシーさを失わない程度に日常使いのための耐久性を高めたスタイリングの間で、バランスを取る試みが繰り返されてきた。よりドレッシーに仕立てたいなら、コンパクトかつ薄いシルエットが望ましい。すると、特に薄い仕立てが災いして、現代基準では防水性や耐衝撃性能、パワーリザーブ等の実用性が物足りなくなりがちであった。
このような背景の下、近年では最新技術を盛り込むことにより実用性を高め、普段使いのできるドレスウォッチが多く提案されている。そこで今回は、ドレスウォッチの世界観を楽しむことができるスタイリングや高級感のあると言えるディテールを持ちつつ、3気圧以上の防水性能、そして必要十分なパワーリザーブといった実用性も兼ね備えているモデルをピックアップして紹介する。
最初に取り上げるのは、「ロンジン マスターコレクション」Ref.L2.843.4.73.2だ。ベースとなるのは、ブランド創立190周年を記念して2022年に発表されたモデルである。そのコンセプトは、190年という長い歴史の中で生み出された数多くの名作をひもとき、それらのエッセンスを取り入れながら再構築してデザインするというものであった。今回取り上げるのは、スモールセコンドとレザーストラップを組み合わせたモデルだ。
最大の特徴は、エングレービングで描き出されたインデックスである。このようなインデックスは、かつては職人の手彫りによるものであったが、本作では最新の機械加工により実現し、コストを抑える試みが盛り込まれている。クラシカルな印象を生み出す立体的なインデックスを、手の届きやすい価格で提供している点は本作の魅力のひとつだ。
全体のデザインは、円形文字盤にブルーのリーフ型時分針というクラシカルなスタイリングに、ケースとラグが一体化し、曲線を主体としたモダンなシルエットを備えている。このように、単純な復刻モデルとは異なる、現代的なエッセンスを持つことは本作の特徴と言えよう。
搭載するのは自動巻きのCal.L893.5で、パワーリザーブは約72時間と、こちらも現代的で実用性が高い。さらに、本作の直径38.5mmケースとシルバー文字盤の組み合わせのほかに、サーモンピンク文字盤、アンスラサイト文字盤、直径40mmのセンター時分秒針のデザインなど、さまざまなバリエーションが用意されているため、好みの1本が見つかるはずだ。長い歴史を持つロンジンが現代に提案するクラシカルなドレスウォッチとして、注目すべきモデルだろう。
“ドレスウォッチらしさ”を生み出す要素はいくつかあるが、その中で薄さは重要なファクターだ。その薄さを極めているモデルのひとつが、シチズン「エコ‧ドライブ ワン」Ref.AQ5022-02Eである。エコ・ドライブ ワンには、シチズンが誇る光発電技術を極限まで進化させ、薄型化を追求したモデルが並んでいる。
エコ・ドライブ ワンには、いくつかのデザインがラインナップされており、その中で今回取り上げるのは、クラシカルで伝統的なドレスウォッチを思わせるスモールセコンドモデルである。ケースは、直径36.6mmとコンパクトな仕立てで、時計仕上がり厚さはわずか4.5mmと超薄型だ。
薄さを追求しようとすると、文字盤と風防の間の空間も狭くなってしまい、文字盤上の立体感が乏しくなってしまいがちである。これに対し、本作では厚さ1mmのムーブメントを用いることでムーブメントに占有される容積を削減し、文字盤側の空間を確保。立体感のあるインデックスやサブダイアルの枠を配することを可能としている。
ピックアップしたRef.AQ5022-02Eは、引き締まったブラックの文字盤に、シチズン独自の表面硬化処理「デュラテクト」を施したアンバーイエローのケースを組み合わせ、上品で落ち着いた雰囲気を生み出している。搭載される光発電エコ・ドライブムーブメントのCal.8845は、フル充電時には約7カ月間駆動し、実用面も万全だ。
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