猫目石
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創作系
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うららかな陽、妖精たちと過ごすしあわせな日々

トパーズ村の太鼓街道付近、(22.13)に建っている店を知っているだろうか。
『猫目石の輝き』という雑貨屋だ。
『猫目石の輝き』の店主の朝は遅く、店の妖精に叩き起こされるところから始まる。

「てーんーしゅー!おきろ!」
「ふぐぅ!……今日も元気だねぇ」
「起きた?じゃあ朝ごはんね!」
「わかった。着替えてから行くよ」
ゆったりと着替えを終え、ちゃぶ台につき妖精が用意してくれた朝食を食べる。本日のメニューはあゆの塩焼きと米だ。
妖精たちは甘いものが好きなのでキャンディをビンから何粒か転がしてあげ、店主もほかほかの朝食を食べながらおいしそうにキャンディを頬張っている妖精たちに話しかけた。
「作業は終わった?」
「まだ。あと24秒まって!」
「次は何の作業を入れようかな」
妖精たちはそれぞれ役割を分担しており、今答えてくれた赤毛の元気な子は作業妖精だ。
「店主、販売棚のかき氷が残り半分きったよ」
「補充しておいて」
「りょうかいー」
のんびりした彼女は販売妖精。しかしセール時には鬼のように素早い補充を見せてくれる。
「ビンの注文は入れてもらえた?」
「まだっす。でもわざわざオパールから購入した水は届いてるっすよ」
「ごめんねー、つい」
「大変だったっすからね!」
人懐っこくて明るいこの子は輸送妖精。彼女の仕事は欲しい商品の注文を市場に持って行くことや、購入した商品の輸送である。
「作業かんりょー!釣り具16回とミスリルの杖6回とすああま40回ね。ミスリルの杖30回は明日の夜出来るわ!」
「あっすああま40回だなんて!倉庫がまた埋まっちゃいますよぅ」
「大丈夫大丈夫。すぐ全部すあああまにするから」
最後に、倉庫の心配をしているのは倉庫妖精。いつもごめんね。『猫目石の輝き』で働く子の誰よりも真面目で苦労性だ。
すああまは代表的な爆発物の一つとして有名だ。爆発といっても、この世界では火薬的なものではなく、少しの作業で倉庫を埋め尽くしてしまうほど大量の在庫ができてしまうことを指す。
しかしその大量のすああまを消費してくれる便利圧縮レシピがすあああまだ。すああまより高くよく売れる。さらに圧縮したすああああまやすあああああまというものもあり、甘すぎて住民に売るには少し不安があるが、熱狂的ファンもいるため高く売れてよい収入源になっている。今回のすああまも全てすあああまにするつもりでこねまわした。
「ああ、でも鴉が欲しがるかな?」
鴉、『夜鴉雑貨店』というトパーズ郊外の店の店主のことだ。
その店のオリジナル商品は『鴉の群れ』という、すああまと木炭を使った工芸菓子だ。『鴉』自体は本屋なのだが、まあこういう複合的な商店はこの島にはたくさんある。
「1sだけ置いてあと全部すあああまにしちゃって」
「はーい!!」
「じゃあ、次は……釣り具の注文があるか見てきてくれる?」
「了解っす!」
「1sは保管庫に仕舞っておいて」
「はい、わかりました」
「ミス杖は今何sあったっけ?」
「新しいのを合わせて5sですね」
「じゃああの人にも声を掛けておかなくちゃ」
「明日で30回のも来ますよ?」
「あー、そっか……どうしようかなー」
そうして慌ただしく、『猫目石の輝き』のいつも通りの朝は動き出した。

「ふぅ…これで一通りの指示は終わったかな?」
「作業枠は一杯よ!」
「販売棚も不足はないですー。税も程よくー」
「輸送枠はビンの注文と取り置きのお米1sで埋まってる以外は空いてるっすよ」
「ふむ……じゃあ最後に倉庫を見に行こうかな」
「はい」
店主は倉庫妖精を連れて倉庫に入った。
倉庫と保管庫を見て足りない道具を買い足したり、いらないものがないか見直して、朝のお仕事は完了だ。
「装飾細工入門が足りなくなってきたね……3000gで注文を出しておいて。鴉にすああまの件と一緒に頼むから」
鴉は『猫目石の輝き』のお得意様である。すああまやインゴットを安く売り、本や丸太を安く買う。『猫目石の輝き』創立時からの関係だ。
「さて。じゃあ今日は散歩がてら鴉のところまで歩いて行こうかな」
いつもは輸送妖精にメモを届けてもらっているのだが、今日はいい天気なので直接会いに行くことにした。

太鼓街道を南に下り、トパーズ村の針葉樹林地帯をこまどりの声と爆発の音を聞きながら歩く。
お供に輸送妖精とそこらを歩いてたきまぐれ妖精を連れながら、のんびりと散策していく。

「あの店の看板立派だね~。でもどうして『猫目石の輝き』は冬のままなの?」
「それは聞いちゃいけないやつだよ」

「あのくだものおいしそう!買って買って~」
「おいしそうっすか…?すごい形してるっすね」
「じゃあおやつに買ってみようか。輸送妖精もいる?」
「食べるっす!」

「あのお店の家具買ったことあるっすよね」
「そうだね。たぶん」
「おっきい船があるね!でもトパ村に海はないよね?どうして船があるの?」
「ロマン……かな……?」

いろいろなお店を通りすぎ、途中できまぐれ妖精と別れ(きまぐれ妖精はきまぐれなのだ)、村から郊外へ移動した。
「それで、次はここから……えー、東?西?」
地形はころころ変わりやすく、昨日まで道だと思っていた場所が林に飲まれていたり、川が湖になっていたりする。
近所ならともかく、普段あまり行かない場所は毎日あちこち飛び回る輸送妖精の案内が欠かせない。
「川のある方っすよ」
「じゃあこっちだね」
輸送妖精の先導に従い針葉樹林を抜けた。
そこには川が広がっていて、その河川敷に店がいくつか建てられていた。
「たしか、ここの川はカッパが目撃されたらしいっす」
「カッパ!一度見てみたいなぁ」
「他にもメダカとかカエルとか鯉もいるらしいっす」
「水質がいいんだね」
そのまま河川敷沿いの商店街を見ながら歩く。
温帯多雨林に挟まれたドナドナ街道をもう少し南に下り、ドナドナドーナー橋のところの小さなアトリエが『夜鴉雑貨店』だ。

ガチャっとドアを開けて中に入る。
カウンターには店番の販売妖精がいる……はずなのだが……姿が見えない。
と思ったらソファの上で昼寝をしていた。
「こら。起きなさい」
「んー?おやぁ?猫目石のじゃないですかー。うちまで直接来るとは珍しいですねぇ」
『夜鴉雑貨店』で働く妖精は『猫目石の輝き』より数が少なく、少し不真面目な子が多い。
我々商人にはそれぞれ手伝ってくれる妖精たちがいるが、その妖精たちがどんな性格をしているかは店主によって大きく変わってくる。
ちらっと作業場を覗くと一人の妖精が紙を丸めている。
あれはおそらく薬調合入門本の執筆を失敗してしまったのだろう。ぽそりと聞こえる声も「証拠隠滅、証拠隠滅」と言っている。
適当にその辺の紙と一緒に丸めているので、きっと前回輸送妖精に届けてもらったメモもそこに巻き込まれてしまったんだろう。
その奥には店主の部屋がある。
「鴉ー。寝てる?」
「われらの店主はねてますよ。いつもどおりです」
鴉の輸送妖精はとても眠そうに答えた。
鴉は1日のほとんどを引きこもって寝ている上、夜型だ。
たまに朝でも起きていることがあるが、今日はハズレだったようだ。
「仕方ないか…いつも通りメモを残していくよ」
「今度はなくさないでちゃんと鴉に伝えるっすよ!」
「うーい。善処しまっすぅ」
カウンターに座っている販売妖精は商品の『鴉の群れ』をつまみ食いしつつ答えた。
「そうだ、明日辺り氷結アップルサイダーが欲しいすなぁ」
「了解。それと商品を食べるんじゃありません」
「書き終わったっすよ」
うちの輸送妖精が書いてくれたメモをカウンターの上に置く。
「じゃあ店主が起きたら渡しておくぜぃ」
「君も眠そうだね」
「お客さんもたまにしか来ないですからねぇ」
なお、棚に並べられてるのは『鴉の群れ』と薬調合入門と炉である。
お祭りごとが好きな『猫目石の輝き』と違って『夜鴉雑貨店』は毎日ゆったりと気ままに商売している。
売り上げを上げようとか、客入りをよくしようだなんて考えることはなく、棚にあるのは店主の売りたいものだけだ。
店内も薄暗く、入ることを敬遠してしまう不気味さを醸し出している。しかし客はしっかりと入っているらしく、家具は高級感があり妖精たちが飲んでいるハーブティーも香り高く良いものだ。
販売棚の炉については、なにか最近企んでいることがあるらしく石工を始めたので、その練習で出来上がったものだろう。

「さて、じゃあそろそろ帰ろうか。お邪魔しました。メモよろしくね」
「また来てくだせぇ」
「氷結アップルサイダー注文出しておいてくれたら入れるからね」
「ありがとうごぜぇやすー」
ちなみに鴉の主食が氷結アップルサイダーなのである。
一度氷結アップルサイダーが好きなのかと聞いてみたところ、「月が天高く昇るころ、私は1日の栄養補給にこれを飲んでいるのさ」
と返された。
栄養の偏りが心配になったが、まあ、大丈夫だろう。ちゃんと生きてるし。
「昼だからもう村に帰ろうか。今日は新トパーズ村街道の辺りに寄って、いつもの定食をいただいて、店で留守番してる妖精たちのおみやげにチーズケーキも買っていこう」
「賛成っす!あの店のデザートは妖精たちの間で大人気っすから」
輸送妖精と、再び合流した気まぐれ妖精たちと賑やかに話しながら帰路についた。

あとがき

はじめましての方ははじめまして!
トパーズ村の細工師、猫目石の輝きです!
今回は私と身内の鴉の店の日常を描きました。
お楽しみ頂けたなら嬉しいです(*´∇`*)
私の店から鴉の店までの道のりはトパーズ村とトパーズ郊外のマップを見つつ歩くルートを決め、その周辺の面白いものを見ていきました。
鴉の店については本人に「どんな店?」「妖精たちはどんな様子?」と聞きながら、自分の想像を膨らましつつ描きました。うまく雰囲気は伝わったでしょうか。
もう少し自分の妖精たちを登場させて愛でたかったかも
ここまでお読みいただきありがとうございました!

※ちょこちょこといくつかの地名やお店とレシピをモデルにさせていただきました。もしこの書き方は嫌だとか消して欲しいとかがあれば修正するのでTwitterのDMなどでお知らせください!

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