りりいる
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考察
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手間のかかるレシピと作業給計算

この記事では、最近作ったレシピの自慢を軽くしたあとに、生産サイドでの作業量と利益に関して、一般的な考察をしていこうと思います。

Mutoys島に魔導工学の発展を目論むりりいるです。
幾つかの失敗を経てシンキングバードのレシピが完成しました。image

材料になっているレシピ品はこんな感じ
image

魔術の新しい形態を、とか言いながらちゃっかり魔石とか混ざっちゃってますね。さておき、この時点でこのレシピを作ること自体が手間が掛かりそうだと見て取れます。エーテルやビン、ノミやはさみを自作したら、更に手間がかかります。

さて、折角レシピを作ったんだから、それがしっかり収益を出せるものなのかは気になる所。

どんなに手間が多くても、原価計算の方法論はシンプルです。一回の作業あたりに必要な素材の個数や道具の壊れる確率に、それぞれの素材や道具の原価(又は仕入れ価)を掛けて足し合わせ(これを積和操作と言います)、作業の平均成果数で割る。エクセルで作業すればいずれ求まります。
式にすると Ci = (∑UijCj)/Pi (単位G)
Ciはiというアイテムの原価、Uijはアイテムiを作る作業一回で消費される素材や道具jの個数、Piはその作業の平均成果数です。

ところで、原価を安くしようと思ったらひたすら全てを自作してしまえば、(理論上は)原価0となるわけですが(引越し費用などは考えない)、それは果てしない手間がかかり、合理的でないでしょう。ですが、例えばビンは、細工師メインの私にとっては作ったほうがお得そうです。では、ビンの材料のガラスはどうでしょう?鋳物師のレベルは5です。判断に迷う数字ですね。

こういった問題を解決して、仕入れるものと自作するものを分ける為に、"一個あたりの延べ作業量"と作業給というものを考えてみます。
延べ作業量の計算は原価の計算と似ていますが、ちょっと違います。あるものを作る作業に必要な素材や道具について、それぞれ必要な"一個あたりの延べ作業量"が分かっていれば、積和を取って、更に"その作業自体に必要な時間"を足してから、平均成果数で割ればいいでしょう。
式にすると Ti = (∑UijTj + WTi)/Pi (単位H)
Tiはアイテムiの"一個辺りの延べ作業量"、WTiはアイテムiを作る作業一回にかかる時間です。
ここでは、仕入れ品はT=0とします。輸送枠を考慮したらより正確な考察が出来そうですが、ここは出来る限り簡潔な式だけで考えたいからです。

因みに、単位の(H)とは(枠×h)です。1つの作業枠を1時間埋めたら1Hです。2つの作業枠を3時間埋めたら6Hです。これを作業量の単位とすると何かと都合がいいのでこれを使います。

ここからが本題。より多くの利益を出すとはどういう事でしょう。それは、"延べ作業量1H辺りの利益額"(これが作業給)を大きくすることでは無いでしょうか?原価、作業給、延べ作業量、売値について手っ取り早く式を立ててしまうと
Ci + TiPi = Si
作業給がPi(単位 G/H)、アイテムiの売値がSiです。
ここでは、Piを目的の値とするので、式変形しましょう。
Pi = (Si - Ci)/Ti
売値Siは自分で決めるものですが、大体「このぐらいの金額なら売りたいペースで売れる」という所から決まっていきますし、業者売りの品では市場の安値を追従したりもします。なので、ここではSiを固定して考えてみます。

ある材料や道具iを、仕入れればCiが大きくなりTiが小さくなりますし、自作すればCiが小さくなりTiが大きくなります。実際に仕入れ値と作業結果を代入して、作業給Pを比較するのが一番手っ取り早いでしょう。一回、エクセルなんかでいい感じにシートを作ってしまえば、色々いじれるはずです。

ただし、一個一個の道具や材料について仕入れか自作かを順番に決めていったとして、必ずとも最適な結果が得られるとは限りません。例えば、aとbを自作するより、aを仕入れてbを自作する方が作業給Pが大きくなったとします。そしてaとbを仕入れると、aを仕入れてbを自作するよりPが小さくなってしまったとします。その時、aを仕入れbを自作するのが最適かというと必ずしもそうではなく、aを自作しbを仕入れるのが最適解である場合が考えられます。もし「最大利益」を志すなら、離散系の最適化問題を解くことになって、少し私の手に負えなくなってくるので、この辺で話を終わらせようと思います。

最後に、ここでは生産サイドでのP最大化を考えたので、売値Sを固定にして原価Cと延べ作業量Tの調整を考えました。実際は、売値Sは自分で決める値で、それによって売れ行きも変わっていきます。書き分けの為に、延べ作業量をTC、販売ペースをTSとすると、SとTSを調整することでも時間辺り利益Pの額を大きくする事が出来るでしょう。さしずめ、市場サイドでの利益とでもいいましょうか。更には、TCとTSを合わせれば個人で完結した商売ができますし、TSとTCに大きな差があれば他の店主とのやり取りが生まれるでしょう。それらについてもいずれ、考えてみたいです。

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