ランプの在庫を手放した。
もうお前たちに頼らなくても生きていける。
そう、信じて。
私がランプに出会ったのは、まだSO2に出会って間もない頃。
「アメジスト街ではランプがめっちゃ売れる」
「もはや名産品」
街板でそう言われるランプとは一体どんなアイテムなのか?
ゲームを進めていくうちに、その驚異の力を知った。
仕入れて売ると安定して儲かる。
とにかく安定して儲かる。
具体的に言うと1400Gぐらいで仕入れても住人には1800Gとかで売れると何なので詳細は線で消しておくが、とりあえず置いとくと着々と儲かった。
棚をランプで埋めとけば、一晩で砂糖水2sと紙束2s買えるぐらいには儲かった。
だが私には夢がある。目標がある。野望がある。
「飴ジスト」を名乗る以上、棚置きはキャンデー系アイテムで埋めつくし、キャンデーたちで生計を立てていきたいのだ。
ランプは確かに安定して売れる。
だがいつまでもランプに頼ってはいられない……。
考えを巡らしながらも、私はいったん棚をキャンデーで埋めた。
売れ行きと売れやすい値段、時給を調べるためである。
結果、200Gのキャンデーたちが、1時間に約15個売れていった。
儲けを計算してみても悪くは無い。
だが、問題はこれからその儲けでやって行けるか、である。
今、作業場は5枠がキャンデー作り、2枠がパプアメ作りで埋まっている。
この生産ラインを維持しながら、黒字経営を続けられるのか。
私は原価計算と売り上げ高を計算してみた……。
あれっ、いけんじゃね?
理論的には、ぶっ込んでる作業が終わる前に、仕入れている材料以上の売り上げを出せば黒字になる。はず。多分。
現在の売れ行きであれば、問題ない。はず。多分。
キャンデーのみで生きていける。(多分)
そう確信した私は、倉庫に仕舞われていたランプを見やった。
もう、お前たちに頼らなくても生きていける。
飴屋として、生きていける……。
そして、私はランプを、そっと手放した。具体的には注文に流した。
柄にもなくセンチメンタルな気分になりながらも、私は売れてゆくキャンデーたちを眺めていた……。
「………俺ら、いつ棚に置いて貰えんのかな………」
おわり!
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