黄チムチム
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二次創作
小説
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パワーを込めよ! ずんだもちぃ!!

 ここは青街にある木々と氷に囲まれた一軒のお店。この日店主と妖精達は新たなレシピにざわめいていた。
「大丈夫なの?」
「私に言われてもな……」

 レシピを眺めながら、店主と手伝いの妖精達は顔を見合せる。それと言うのも、店主が今持つレシピが困惑と混沌の根源なのだ。
 『ずんだもちぃ』俗に言うもちぃ商品と言うやつだ。緑色の餡のようなものがたぁっぷりと、もっちり弾力あるもちぃにこれでもか、と乗っている。良くありそうなお菓子。そう、見た目だけならそれで済む。
 
 問題は、材料だ。ハンターボウ(弓)に米………これだけだ。そして作り方は、ずんだパワーを込めて弓を放て、だ。
「お水ないよ!? 何でもちぃになるの!?」
 妖精の困惑は、ごもっともだ。ごもっともだが、この商品実際売れているのだから、怖い。
「と、とにかく最初は私が、見本を見せますから、後に続くように」
 未だ常識的にどよめく妖精達を、二拍三拍と店主は宥める。主に妖精達に作業はさせるが、やはり最初は自ら作って教えなければ、妖精達の見本にとここの店主は、自ら作る。
 後、はやはり錬金術師なりの好奇心も関係するのだろう。初めての物は、やはり自分の手で作り出したい。

「さぁ、始めるか。妖精さん達準備お願いいたします」
 トレードマークの黄色いバンダナを頭に被り、弓をつがえた。狩人の経験もそれなりに積んでいる店主には、それなりに手慣れたものだ。
 ドスッドスッ、米俵一俵を数メートル遠くに妖精達は積んでいく。後は、これをずんだパワーを蓄えて、矢のない弓を撃ち込むだけだ。

(だけだ、じゃねーよ。ずんだパワーって何だよ!?)

 固唾を飲んで見守る妖精達には悪いが、ずんだパワーは店主には理解できない。だが、このままでは米は米のままだ。
 仕方なくハンターボウを構え、米俵に狙いを定める。すると、店主の疑問は融解した。
 何か、が手元に収束する。新緑にも似た発光が矢の形を象り、更に大きくなっていく。店主は驚きに、弦から手を離しかけたが何とか集中力を保ち、キリキリと弓を引き続ける。
 そして、その言葉は弓矢を米俵に放つと同時にごく自然に口から発された。

「\(ず・ω・だ)/ぁぁぁぁあ」

 バシュ バタバタバタ…………

 放たれた緑光は、何かわからない猫のような形になり米の間を駆け抜けた。その、瞬間俵が破け米は舞い散り緑の光、いや、ずんだパワーを授かった米達はずんだもちぃに変わって降ってきた。
 店主の手に握られていたハンターボウは、ポッキリ折れ弦も切れていた。あの弓矢が放たれる刹那な時間、何があったのかは恐らく店主にしかわからない。
「さぁ、こんな感じで。妖精さん達ずんだパワーよろしくお願いしますよ!」

 それから暫く、作業場では『ずんだ』の掛け声が響き続けていたとか。

おしまい。

 # 本日ご紹介した商品
 
 ずんだもちぃ
 ハンターボウ
 米
 水

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