山鳥こー
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創作系
木こり
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クラスのリリちゃんがゆってた、木こりはダサいって。

クラスのリリちゃんがゆってた、木こりはダサいって。

あさ、学校にいっしょに行くともだち、リリちゃんとルミちゃんとミミカちゃん。すっごく仲よくてしゃべるのも楽しい。

でも、おうちの話をするときは少し嫌な気分になる。

リリちゃんのおうちはパン屋さん。いつもいい香りがするし、お弁当はあさに焼いてきたっていうクロワッサン。

ルミちゃんのおうちは細工師さん。きれいなガラスの髪飾りをたくさん持っていて、毎日ちがうものをつけて来ている。

ミミカちゃんのおうちは錬金術師さん。お母さんがかしこいから、いつも勉強を教えてもらってるんだって。だからテストはいつも100点なの。

みんなのお父さんお母さんはすごいんだ。

なのにわたしのおうちは木こり。

家は森のおくの方にあって、虫がいっぱいいる。おうちの中は倉庫がいっぱいだからって、わたしの部屋の前にまで丸太がかさねておいてある。おかげでともだちに木の匂いがするって言われた。お父さんはいつも外にいて、おいしいパンを作ってくれたりも、かわいいアクセサリーを作ってくれたりも、勉強を教えたりもしてくれない。見た目もかっこよくないし。

だからおうちの話になったら恥ずかしくて、お父さんのこときかれても、逆に聞きかえしたりしていつもごまかしている。

「わたし、パン屋さんになる。」

ある朝、お父さんにそう言ったら、

「そうか。」

それしか言わなかった。

そうなんだ。お父さんも木こりがかっこいいって思ってないから、わたしのことを止めないんだ。

「やっぱり木こりはダサいんだ。」

思わずそう言ってしまった。お父さんは何も言わなかった。

気まずくなったわたしはすぐに家を飛びだして、リリちゃん家にパンの焼きかたを教えてもらいにいった。

「こんにちは、木こりさん家の娘さんかい?」

うなずいた。かおが少し赤くなっている。

「お父さんにいつも感謝してますって伝えてくれるかな?」

感謝?どうして?パン屋さんなのに。

「パンに必要な石窯が安く買えるのは木こりさんの薪のおかげだからね。」

わたしはパンの焼きかたを教えてもらいに来たはずなのに、なんだかお父さんのかおが頭からはなれなくて、気まずくなった。「ごめんなさい」と言って細工師のルミちゃん家に走ってにげた。

「木こりさん家の娘さんかな?いつも感謝しているよ。楽器に使う丸太を売ってくれるからね。」

ここでもお父さんが出てきてしまった。わたしは錬金術師のミミカちゃん家にまた走ってにげた。

「木こりさんの娘さんね?いつも感謝しているわ。お薬作りに薬草は欠かせないからね。」

ここでもだ!お父さんのかおはどこへ行っても振りはらえないの?なんだか目の前がぐるぐるしてきた。

いつの間にかまわりがうす暗くなってきた。森は暗くなると危険だから門限がはやい。わたしはどこにいくわけでもなく、商店街を行ったり来たりしていた。

感謝している。思いかえせばみんなそう言っていた。木こりのお父さんのことを感謝しているって。わたしの知らないところでお父さんはみんなの役にたってたんだ。

わたしはなんだか恥ずかしくなった。でもなんだか暖かい恥ずかしさだった。前を見ると家への道だった。

木こりはダサいと思う。おいしいパンも焼けないし、かわいいアクセサリーも作れないし、誰よりもかしこいわけでもない。リリちゃんもダサいって言ってたし。

帰ったらなんて言おうかな。まずはあやまって、それから……。

「私、────!」

〜おわり〜

こはなこさんが絵本にしてくださりました!ありがとうございます!(二次創作)クラスのリリちゃんがゆってた、木こりはダサいって

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