やっぱりおかしい。
パターンはあるが。
皆、同じことしか言わない。
それに、顔が一切思い出せない。
毎日顔を合わせているはずの住民なのに。
店主もそうだ。
覚えられるのはお店の場所と看板だけ。
みんな正体が無い。
そしてそれを気にも留めていない。
僕が狂ってるのだろうか。
気づいている人はいないのだろうか。
気づいてしまったらどうなるのだろうか。
この島を出たい。
しかし、出ることは出来るのか?
ジャポーン、イェヒメ。
名前は分かるが地図も何もない。
地図らしき物があったこともあった。
しかし今は消えてしまった。
…
悩みに悩んだが…
僕は島を出ることにした。
「妖精さんの翼」
本島とオパール街を飛び交う妖精さんをヒントに作ったレシピだ。
魔石の魔力を動力にした、着脱式の羽根だ。
これなら大丈夫だろう。
過去にいくつもの画期的な発明が無に帰した。
理由は不明だが突然消滅した。
誇張ではなく、この世界から消えさってしまったのだ。
文明の進歩を拒むかのようなその様は
この世界の調和を乱すなというメッセージに思えた。
確証は無いが、大丈夫であろう。
店はしばらく妖精さん達だけで営業してもらう。
帰るつもりはない。
迷惑を掛けるが何も言わずに去るのが良いだろう。
もしかすると今後、僕に続く者がいるかもしれない。
ここに出来る限りの情報を記しておく。
店舗 #xxx…
…
…
最近閉店でレシピ消えるの多いね。
あ、妖精さんの翼も破棄になってる。
好きだったのに、閉店しちゃったんだね。
残念。
コメント
コメントにはログインが必要です