MUTOYS国王の演説を聞いていた。
どうやら、住人に向けて商品について調べてから購入するように促していたようだ。
うちの店舗は業者向けの卸売が売り上げの大半を占めているため影響は少ないものの、作業の成果物に注意しながら作業内容の入れ替えが必要になるだろう。
どうやって卸売をしていただろうか。
仕入れた商品を相場と同じ、あるいは1G程度上乗せして販売することが多かった。
たとえば、薬草。一時期、18Gで購入して19Gで販売していた時がある。
これは、他の店舗が薬草に18Gの価値があると示してくれたから19Gと値を付けることができた。
他の店舗では魂の水がよく売れると噂になっていた。
過去に少しだけ販売したが、うちには合わなかった。
この魂の水はいったい誰が価値を示していたのだろうか?
「魂の水は高値で売れる」といううわさが流れ、実際に売れていた。
そのうわさはMUTOYS島全域に広まり、どの街でも売られるような大人気商品になっていった。
魂の水は次第に値段が上がっていった。業者が欲しがったからだ。
業者の取引価格が上がっていったことで、多少のマージンを乗せて高価になっても住人は買っていったらしい。
そして、いつの間にか「どうやって入手しているのか」を忘れてしまった。
これまでは、業者全員が高く売れると思った商品は高く売れた。
これからは、誰が商品の価値を決めるのだろうか?
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