「孤高の細工師になれたし、これで『この作業に挑むのは時期尚早ではないか』という悩みから解放されるんですね。細工師作業のみを行う生活からは解放されるかな?そうなると他の作業にも目を向けていきたいな。」
「というと?」
「細工師の作業を行うのに必要な商品が枯渇したら困るので、あらかじめそんなときのための作業を行えるだけの作業を見つけておきたいんです。」
「・・・・・・孤高になりたかったのはどうしてですか?」
「私たちの店舗は他の店舗に比べて作業の手が遅いというネガティブな考えに支配されていました。でも、それは成長速度だけの話。一度孤高になりさえすればあとは仕入れ値と売値と祈祷力の争いだけです。今の私達なら、細工師なら他の作業特化店舗にも引けを取りませんよ。孤高になりたかったのは、レベルの低さから他の店舗を恐れることをなくしたかったからです。」
「なら、細工師も続けないと。」
「???」
「孤高の細工師の力を使えるのは孤高の細工師になってからの作業だけですよ?力を手に入れても、使わなければ意味はないですよ。」
「!!!!」
「そもそも、リスクを抑えたいのなら店頭に並んでいる薬草を活用したポーションを作成するをすればいいですし、木の枝を活用した誰でも同じ成果を出せる紙をすくでもいいんです。あなたの店舗が薬草や木の枝を毎日販売しているということは、それらが安定して供給されている何よりの証拠ではないですか。」
「相場が安定していると感じる商品に手を出しているなら、非常時の作業の商品としては評価が高くなりますね。細工師の作業もその他の作業もやりたい作業をやってみます。」
「ああ、そうだ。スワンボートを作ってもらえませんか?」
「どうしてですか?」
「スワンボートがないとこの島から本土に戻れないんです。」
「すみません、今は土に手を出したくないから作ってないんですよ。」
作業妖精のスキル育成のゴール地点は、恐れず伸び伸びとやれるスタート地点でした。
細工師はやめません。これからは細工師以外の作業もやります。
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