古本屋で見つけた日記の切れ端
ある街の古本屋で酪農技術書を探していると、煤けた本に異質な紙切れが挟まっているのを見つけた。エッチな絵だと思って、その本を入して自宅でドキドキして開いてみたがエッチな絵ではなかった。がっかりだ。日付と内容が書いてあるので誰かの日記の切れ端ようだ。__ルヤ?穴があいていて読めない。私はこれをルヤ記と呼ぶことにした。
内容は、島で昔起こったという2周年記念祭の様子が描かれているようだが、私の知る記念祭とは少し異なる、商人たちの素顔が記録されていた。以下はその内容だ。
ルヤ記
2019年5月7日(火)
2周年記念イベントが始まった。酪農作業の追加で、ミノタウロス♀のお世話が追加されているのを確認した。この作業Ⅱがついているもの、無印のものと2種類で、前日にセクレタリに書いた材料の価値の比較方法として有効かな、と軽く考えていた。肝心要のモエルが1M近く、高すぎて殆ど手が出なかったからだ。モエルが関係あった。泣く泣く950kのモエルを買ってなんとか仔牛をみつけた。仔牛はすぐに逃げた。わずかな極上ミノ牛乳を手に入れた。
絶対に許されないと心に誓った日だった。
搾った牛乳を30Mで出したら売れた。売れる確信はあった。仔牛を探して極上ミノ牛乳を搾る作業は「屋外」酪農作業で、地形依存だったからだ。当時は草原、土、岩石を必要地形にしたレシピを主軸にしている酪農家は私以外存在しなかったからだ。大変スムーズに草原酪農家に移行することが出来た。
売った金で買ったものはモエルやオーバーオール等、牛乳を搾る材料たちだった。
それでも僅かな材料では僅かな牛乳しか搾ることが出来なかった。
M氏が僅かに棚置きしているのしか見えなかったため、自分以外量産出来ないと確信した。20Mで置いたら売れた。
M氏はTwitterで知っていたので、DMして共闘することにした。これでもう牛乳の価格はすぐに落ちない。作れるのは私たちだけだから。
5月8日(水)
高額で売れるのはいいけれど、これでは恐らく聖剣作業で街を守るというイベント完走することは出来ない。自分が大変儲かる姿を見せれば、同業者がイベントに参入してくれて生産量が伸びるのでは?と考えたので、積極的に儲かるアピールをすることにした。Lv13酪農家は私以外に5人も居るのだし、そのうち価格も落ちるはず。
S氏と共同して牛乳の量産に乗り出した。モエルと匠本の供給を受け、代わりに牛乳とクリームを渡す物々交換だ。思った程モエルの消費は激しくないので、まとまった量あれば結構持ったのが救いだった。
牛乳の価格を12M程に下げると徐々に売れ始めた。売れたお金で買ったのはもちろんスピードアップポーションだ。独占市場で大量の商品があると悟られないよう、所持数の最大を出さぬよう気を付けて棚に置いて行った。スピポをがぶって100本程の牛乳を手に入れたが棚に置くのは常に5~6個、品薄を装うとよく売れた。
私の棚売りよりも安く10Mで30個注文しているY氏が居たが、投げ入れる者はD氏1名の8個だけだった。また、Y氏は商談に牛乳50本優待券10枚の交渉が出ていたので、少し考えた結果全部受けることにした。交渉で50個を10枚の優待券に変えたあと、10M22個で出ていた注文に応じ、220Mで優待券とスピポを買いあさった。買う対象はミルクティーやサンドイッチを買いそうな人を優先的に買っていった。同時に棚には注文で投げたよりも安く9Mで牛乳を置いて10M注文を完全に踏み抜いた。私の牛乳在庫を読み間違えているのだろう。
この日の売り上げは1000M以上になった。
5月9日(木)
ミノ牛乳4M、クリーム10Mで棚置きすることにした。M氏とは朝昼夜と価格の同意をとっていた。それにしても同業者の参入が無さすぎる。作業のスピポだけでは足りないので輸送全てにもスピポを使い始める。スピポ飲みすぎて仔牛は50頭になった。仔牛逃げまくるので牛乳を安定して作れない。酪農家と錬金術師って接点あまりないよね。カラーポーションの作成依頼をおいそれと出来ないのも参入障壁になっているのだろう。
5月10日(金)
棚置きしている4M牛乳10Mクリーム売り切れる。そらそうだ、私たち以外作ってないからね。スピポどれだけ飲めば需要に生産が追いつくのか見当もつかない。酪農家の参入を呼びかけてみたが良い返事は無かった。
5月11日(土)
牛乳とクリームは未だによく売れる。イベント参入していない人は本当に参入しないのだろうか。牛乳とクリームのからくりにも気づいてもらえない。私の牛乳を買ってクリームに加工するだけで儲かるのに。
どうやら牛乳は注文取引が増えているようだ。私たち以外にも牛乳を生産する酪農家が現れたことが分かったので、引き上げ準備にかかる。
牛乳の価格に合わせてミルクティーとサンドイッチの価格が大変なことになっていたので、酪農家だけのせいにされても困る。きちんと整理しておこう。高レベル調理師I氏と高レベルパン屋S氏と手を組んで、牛乳クリームを渡す代わりに作成依頼したところ、大変快く引き受けてもらえた。
5月12日(日)
ミルクティーとサンドイッチが揃ったので価格を下げにいった。S氏には追加で作成依頼している。ミルクティーとサンドイッチを買い占められて逆に価格を上げられてしまっては困るのだ。特にサンドイッチには注意しなければならない。当時20Mのサンドイッチを100個程手に入れ、全部棚に並べて圧をかけようとしたが出来なかった。どうやら2000Mを回収出来ないから?しょうがなく20個で置いたら飛ぶように売れた。サンドイッチの価格はみるみる落ちていった。
5月13日(月)
S氏から2度目のサンドイッチを手にした私、ガンガンに価格を下げていく。サンドイッチの価値が下がればクリームの価値も下がる。慌てたS氏がクリームの売り逃げにかかっていたので、それもサンドイッチにしてもらい、報酬として優待券を何枚か渡した。これから更にクリームは下がるので、せっかく協力してもらったのに大損したのでは面白くないだろう。サンドイッチの価格を下げたことによる、私の棚買い占められリスクが増している状態では、サンドイッチをいくらでも量産してもらえる関係でいたかった。そうしなければ買い占められて終わってしまっただろう。(それは成功した?)
Y氏が牛乳100本のトレードを希望し、優待券8枚での交換に快く応じてくれた。
即座に牛乳とクリームを下げることを事前にM氏に通知し、了承を得た。ミルクティーとサンドイッチの処分を加速させ、牛乳とクリームの価格を下げた。Y氏のトレードを2回踏み抜いたのでちょっと怒られるかもしれないと思ったけれど、5月7日モエル950kだった時の私の気持ちを考えればやるしか無いかなと考えた。牛乳の価格は2Mとした。実に100本で200M、優待券45M8枚360Mのトレードでは割りに合わなかっただろう。
当時牛乳の在庫は200程だったので、Y氏とのトレードをしてもまだまだ余裕があった。
サンドイッチのトレードを希望したM氏、サンドイッチ5個と優待券1枚を交換した。当時のサンドイッチの価格は15Mぐらいだったかな。私の予想ではサンドイッチ10Mぐらいまで落ちるかなと踏んでたんだけど、ベラボーに強いパン屋さんM氏が私の価格についてくるの凄い。最安値を取りにいく必要があったから予想よりも下がっちゃった。これは想定外だわ。ちょっと悪いことしたと思った。50M計算のサンドイッチと45M優待券ならボチボチ儲かった感じになったのになあ。
5月14日(火)
牛乳とクリームの価格が下がったので、これ以降牛乳での極端な荒稼ぎは出来なくなった。
優待券やスピポでの利益を確定させた瞬間だった。高騰している最中にサンドイッチやクリームをトレード材料にして、ローブやジュエルを手に入れようかと考えたが、やめた。どうせサンドイッチの価格が落ちれば、それらの産品の価値も下がってしまう。ならば今価格が最高に落ちている優待券やスピポを拾ったほうが効率が良いに違いないし、イベント後は上がること間違いないからだ。こういう時、本来一番強いのは住民売りでバンバン現金を生み出せる販売店舗なんだろうけれど、独占状態の酪農家は桁違いの威力だった。今後は酪農家作業3連続で封印されたような作業ツリーは絶対に出来ないだろう。
どうも、20日までに最終作業までいかない疑惑が生じていたので、力任せに行く人が出るかもしれないと思い、スピポを大量に買っておいた。安かったスピポはみるみるその最低価格が上がっていった。もはやイベント、非イベント時のスピポ価格差商売も難しいのでは?
5月15日(水)
S氏が聖剣の鍛造に踏み切る。スピポを大量に所望していたので可能な限り協力した。
あんまりにもあんまりな感じがするし、S氏大好きな身としてはレートをゆるく設定したかったけれど、きちんと交換したいって、そういう律儀なところ大好き。
聖剣の鍛造は失敗したけれど、伝説の鍛冶屋になるためのスピポ一気飲みは大変な気合を感じた。エンターテイナーよね。
5月16日(木)
牛乳は売れないけれどクリームが死ぬほど売れる。しょうがないのでスピポを飲んでクリーム量産して応援した。無限にクリームを吐き出すマシーンと化した。
何、聖剣出来たってマジ?
5月17日(金)
聖剣での勇者作業失敗したらしい。
牛乳値下げしてクリーム値上げしたろ。サンドイッチとミルクティーを作って再び立ち上がるのです!牛乳の在庫100、クリームの在庫200ぐらいだったはず。ばっちこいだ。
1.1Mで売ってたクリームを2Mにしたけど簡易表記だと同じなのよね。注意喚起しとこ。
酪農仲間のM氏と牛乳の販売価格が下げたとき、私たちのバックにはエンドロールが流れていた。もはや戦友だった。
5月18日(土)
クリームと牛乳の在庫無くなる。ヤバい量作ってる人いるわ。M氏かな、サンドイッチ置きすぎ。追加生産するがさっぱり売れなくなった。どうやら注文で取引されているようだ。ええい牛乳もクリームも下げるしかない。けれど、私が売れないってことは酪農家の誰かが頼りにされているということ。大変うれしかった。
5月19日(日)
S氏がまた聖剣鍛造してる。え、18回も?いくらかかるんですかそれは。
疲れてるし寝よ。
5月20日(月)
起きたらお祭り騒ぎになってた。S氏聖剣鍛造成功したうえに自ら戦いを挑んで成功したらしい。とんでもないことだわ、S氏。マジおめでとうございます。私も嬉しかった。
牛乳を売り抜けたかったけれど、逃げきれていない酪農家が居たので値段を下げずにいた。私は十分稼いだし。
今回の私の読み間違いは、新作業を回す酪農家が少なかったことだ。
予想よりも独占期間が長く続いたため、大富豪を通り越して超富豪になってしまった。
あと、多分だけれど、私がお客になりそうな人から商品を買うことで、良くわからない需給バランスが取れて経済が回っちゃった感があった。物々交換だと回るのが遅いし。
この難易度であれば、聖剣がきちんと回るようになるのは2年後ぐらいだろうか。
しかし、この文章を公開するか否か大変考えさせられるわ。
ルヤ記はここで途切れていた
信じられないような内容だった。あのミノ生クリームが30Mで売れることがあったなんて。
内容があんまりにもあんまりだったので、そっとおくのが良いだろう。
この日記に挟んで、いつか見つけた誰かがニヤっと笑うぐらいが丁度いい。
さて、そろそろ私も今年のお祭りの準備をしないとな。
今年はどんなことが起こるんだろう。
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