ハロー、歯車木工店#29915です( ᐛ )←最近好きな顔文字
以前、住民売り考察日記㉗同一設定レシピにて触れましたが、無競合下での棚の値付けが住民の来店確率(来店回数)に影響する可能性が示唆されました。
値付けが安ければ来店が増えるのは当たり前じゃん、と思われるかも知れませんが、値付けが安いから周りの店から客を引っ張ってきて売れるのとは話が違います。競合範囲に他店が全くなくても純粋に来店回数(来店確率)が増加するという話です。自分の仮説的には衝撃的な話なのですよ( ᐛ )
さて、今回はその「無競合下における棚の値付けが住民の来店回数に与える影響」について調査を行いました。
[忙しい人のための結論]
- 無競合下において、商品の値付けは明確に有意差があると言えるレベルで来店回数に影響を与えることが分かった。 ただし、その影響力自体は小さい。
- を用いて、8,000G、6,000G、4,000G、2000Gの各値付けにおける複数買い発生確率及び来店回数から原価を1,000Gと仮定した場合の利益期待値を計算した結果、無競合下では4,000~6,000G代で高くなった。それより高い場合は購入失敗確率の上昇、低い場合は複数買い発生確率の伸び悩みによって利益期待値は減少すると考えられる。
1 調査内容
【定義:無競合下について】
過去の自己検証より、チェビシェフ距離3以内に他店が存在しないことを無競合環境と定義します。
今回の調査場所は下記のとおり。
- 商品は業種設定が無く、流行影響を受けにくいを用いた。
- 販売棚は8枠であり、全てを置いた。価格は統一し、8,000G、6,000G、4,000G、2,000Gの4段階で値付けを変更しつつ、各値付けにおける時間あたり来店回数及び複数買い個数の変化を「お客様の声」にて計測した。
↓こういう状態
- 本調査は2021年6月24日19時よりスタートし、36時間ごとに棚を一回完全に下ろしてから、値付けを変更して上げ直す方法で入れ替え、6月30日22時まで調査を行った。(リアル都合により欠損データの追加調査を行ったため、期間が延長された。)
- 下記のとおり、こぞう鋳造所#10353様の流行チャートにて調査期間中は唯一関係する「食物カテゴリ」の流行の発生が無かったことを確認した。
2 調査結果
棚単価を安くする程、平均来店回数は周囲に競合店舗が無くとも純粋増加することが分かった。
これについて、t検定で有意差の有無を調べてみた結果が以下のとおり。
どれも1%水準で有意差ありの判定でした。
有意差が無いと仮定した時に今回の調査結果が得られる確率は1%未満(P値的には高いものでも0.07%の確率)となるので、ほぼ確実に各値付け間において有意差があると考えることができる。
ただし、上の平均来店回数(回/h/棚)を見て分かるとおり、8,000Gの時と2,000Gの時を比べてもその差は1.17回/h/棚である。
街の商店街に行けば7棚で来店50回/h位にサクッと増やせることを考えると、立地の影響に比べると値付けが来店回数に与える影響力は小さいと個人的には思われる。ただし、影響が小さいにしても、値付けを下げるとほぼ確実に有意差がある形で来店回数は増加する。
3 無競合下の値付け変更により来店回数が増える仕組みは?
全くもって不明。今のところ仮説さえないが、周辺棚数だけでなく平均棚単価も来店確率配分に関係する要素なのか、それとも他店から奪う形ではなく純粋に来店回数が増加するのであれば、街外からの住民移入等(要は人口増減)に何か関係していないだろうかとは思う。
4 値付け別の利益期待値について
まず、今回の調査で値付け別の平均来店回数(回/h/棚)は得られたので、さらに複数買いの個数別の発生確率を調べた結果がこちら。
これについては
住民売り考察日記㉒複数買い
住民売り考察日記㉓複数買い
で調査したとおり、商品の内部価値によらず、恐らく街の住民財布額によって、1個買いを最多として確率分散していると思われます。
この二つのデータを組み合わせて、どの値付けの時が一番利益効率が良いのか期待値を計算してみた結果がこちら。
- 売上額期待値だけであれば、棚単価が低い程、期待値は大きくなる。
- 原価を設定した場合は、安すぎる棚単価は利益の期待値が下がる。
- 高単価では、0個買い(購入失敗確率=コメント率)の高さと平均来店回数の少なさが売上の低さに繋がっている。
- 低単価では、原価を限りなく小さくできれば良いが、そうでない場合は複数買いや来店回数の期待値が伸び悩み、利益期待値が下がる感じ。競合立地では他店に競合勝ちしやすいため、平均来店回数をさらに伸ばすことで期待値を上げられる余地があるかも知れない。
5 終わりに
利益期待値については、今回の調査地が店あたり住民売り金額の高さで言えば中くらいに位置しているサファイア街(人口102,350、店舗数223)での調査結果のため、人口や店数が大きくことなる街では状況が異なることをご了承の上で参考としてください。
繰り返しになりますが、無競合環境下での調査結果であることも留意願いたく。
値付けにより来店回数にほぼ確実と言える影響があることは分かったものの、これを住民売り仮説の中にどう落とし込んで仮説を組み直すかが課題。しかし、理屈は分からなくても、一つ新しいことが分かって良かった(:3っ)っ
今回はここまで、それではバイバイ('ω')ノ
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